aamall

2010年07月25日

インセプション 2010年米 ☆4.2(5点満点)

2010/07/25
Mhb vol.1128

 クリストファー・ノーラン監督。レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、エレン・ペイジ出演。
 他人の夢に入りこみ、依頼者の利益になるようなアイデアを抜き取る企業スパイのコブ。東京での仕事が不調に終わり、日本を出国しようとしていたとき、意外な人物に超困難な仕事を依頼される。相棒のアーサーは反対だったが、コブはある条件を聞いて乗る気になった…。



 今、世界でもっとも期待される監督が、その手腕を如何なく発揮している。
 今までの”映画”というエンターテイメントの可能性を見事に編集と集約をし、作り上げた見事な世界観。そして、豪華な出演者には見事すぎて言葉がない。

 次々と場面が変わるが出演者は同じで服が違う。彼らは他人の夢を共有し、そこで壮大なプロジェクトを画策する。
 一見、夢というよりはゲームやもう一つのパラレルワールドのような異空間。そしてまたその中の異空間、”夢の中の夢”とつながっていく階層化する立体的な精神世界が鮮やかでこの映画のメインだ。
 その立体的な精神世界は、好きな映画ではないけれど「マルコヴィッチの穴」、時代をさらった「マトリックス」、大友克洋の名作中の名作「MEMORIES」などの映画と世界観が重なってくる。とくに「MEMORIES」の色合いがとても似ていて、驚かされる。そして、精神世界のルールが漫画「ドラゴンボール」の”精神と時の部屋”のようで面白い。

 多くの映画などを連想するが、決してこの映画にオリジナル性がないわけではない。
 一人の心の囚われた部分、心の癒えない傷、そこから繰り広げられる目くるめく世界観とのコントラストは、映画という可能性の集大成的。そして、何よりも素晴らしいのは世界最高の俳優たちの共演だ。
 ディカプリオ、渡辺謙、エレン・ペイジ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、キリアン・マーフィ、トム・ベレンジャー、ピート・ポスルスウェイト、マリオン・コティヤール、トム・ハーディ。
 いままで、これほどの充実した俳優陣の映画を見たことがない。しかも、ミスキャストなどなくその表現レベルは、現時点で間違いなく世界一の映画といっていい。
 
 正直、「ダークナイト」ほどの精神的な衝撃はないし、クライマックスから後の予定調和な結末は寂しい。しかしながら、映画が始まってから途切れることがない緊張感と世界最高峰の俳優たちの仕事との結実感は、凄い。

 凄い映画。見るべし。

text by dk

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