aamall

2010年07月17日

ディア・ドクター 2009年日 ☆4.5(5点満点)

2010/07/11
Mhb vol.1125 

 西川美和監督。笑福亭鶴瓶、瑛太出演。
 とある山深くにある村でたった一人だった医師の伊野が、ある日突然失踪する。周りの人間が伊野を探すのだが、そんな中、伊野の隠された大きな秘密が暴かれてしまう。。。



 都会から遠く離れた僻地で、医療が担う義務はとても大きく、その大きさがゆえに過剰に期待される医師。この映画は、そんな僻地医療の問題を見つめつつも「日本人の心」をも貫いた感がある。

 娘を心配させないために、重病なのに元気だとうそぶく一人暮らしの母親。都会の殺伐さと正反対の心通った田舎の濃いコミュニケーションに、心が洗われてしまう若い医師。偽者と知りつつも、村のために必死で診療所を盛り立てる看護師。そして、私心ではなく良心で診察を繰り返す偽医者。
 一つの嘘が、たくさんの人の笑顔を生んでいる。感謝され歓迎されて、そして男はまた嘘を繰り返す。愛想笑いも出来ないくらいに追い込まれた男は、不意に本物の意思と対峙したあと、突然失踪する。

 いい映画とは、人の心に肉薄し、見る者をどこかに誘うものだ。
 この映画には山の音があふれ、人の笑いが漏れ、心が静まる人生の大切な時間が満ちている。そして、人が織り成す”哀しさ”と”温かさ”が最後に残る。この映画を見る前と見た後だと、確実に自分の”心”の位置が変わっているような気がする。

 西川監督は、本物の日本映画を作っている。日本人の美徳や、日本人の心の姿を、見事にフィルムに焼き付けている。
 オススメの日本映画だ。

text by dk

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